谷川史子「おひとり様物語」(1)

タイトルの“おひとり様”とは
“パートナーはいるけど物理的に離れている”
“パートナーはいるけど心が離れている”
などなども含まれます

とは、作者さんのあとがき。今は亡きBethという素晴らしい女性誌に掲載されていた作品です。Bethが休刊してそのまま連載終了とならずに、Kissに移籍してくれて嬉しかったです。


この作品、第1話からして共感しまくりでビックリしました。本当に共感率が物凄いことに。


家に帰って、好きな本をリラックスして読むのが幸せ。と同僚の人に話したところ

「それってさみしくないですか?」


「うん?さみしく?だれが?」


ああ、すごくわかります。


それでもって

「ごくたまに こんな(さみしい)夜もある」

と繋げるところが、もうホントに共感しすぎて怖いくらいでした。

何なのこの谷川史子、恐ろしすぎる。これだけでも読んでみる価値は十分ありました。それから「女のひとりぐらし」の一発目で、男の影を微塵も出さないのも素敵です。



ほかのストーリーも「おひとり様」であるがゆえに、他人との繋がりと自分自身、というお話がメインです。タイトルがタイトルだけに、既存カップル以外がゴールインする話は今のところないわけですが、それでもいいなぁ、と。 カップルのお話ももちろん良かったです。

特に7話、少女漫画家の話はこれも作者さんか?と思ってしまうくらいリアルな感じがしました。そしてこれがまた共感するんですね。私はクリエーターではないですが。1話ごとのオムニバス形式なので、次なる"おひとりさま"を楽しみに待っています。



この作品、第一刷が不備があるようです。2009年1月31日までに交換可能とのこと。詳しくは講談社のサイトをご覧ください。

KissワイドKC『おひとり様物語』第1巻についてのお詫びとお知らせ
終了しました




おひとり様物語(1) (ワイドKC)

おひとり様物語(1) (ワイドKC)