麻生みこと「天然素材でいこう。」文庫版(1)〜(5) 完結

弁護士漫画「そこをなんとか」の麻生みこと先生の昔の作品です。「そこをなんとか」の2巻は3月発売予定です。この話は屈託で裏表のないというか超マイペースに生きる主人公と、その友人、恋人その他諸々が恋に人間関係に自分のやりたいことに悩んだりする学園ラブコメディです。


文庫版が出ていたので揃えてみました。第1話が1995年という作品なので、初期の絵柄はどことなくそれっぽい感じがします。途中から急激に現代?の少女漫画風になります。

しかし、作品としてはぜんぜん古くありませんでした。まさに「麻生みこと」ぽい仕上がりになってくるので問題なしです。あとこの作者さん、非常に頭がいいと読んでいて思いました。読んでいて気持ちがいいです。


読み終わって、長編少女漫画の割には恋愛的にすっきりしない展開があったりで不思議な感覚でした。もやもやもやっとした感じ。こういう作品もあるのか、と。その分「自分の将来」という恋愛と同じくらい思春期において重要な、そして誰もが悩む要素をきちんと描き上げています。そしてそれが好きだったりします。いわば「恋人とるか仕事とるか」という場面での展開が良いなぁ、と。ここまで言っておいてなんですが、もちろん恋愛パートも面白かったです。

それから描き下ろしもありまして、現在の麻生みことなノリも楽しめます。というか最後の描き下ろし(少女達のその後のその後)は反則です。 大好き。


こういう作品があるから白泉社は侮れません。と毎回思います。



天然素材でいこう。 第1巻 (白泉社文庫 あ 5-1)

天然素材でいこう。 第1巻 (白泉社文庫 あ 5-1)