河合克敏「とめはねっ!」(4)

鎌倉にある高校を舞台にした、書道部青春物語。


書道部。パフォーマンス書道というものを、少し前にニュースでやってました。確かにああいうのをみると凄いなぁ、と感心します。まさに舞台と呼ぶにふさわしい表現の場だと、ニュースを見ていて思いました。


本編では夏休みに入ってひと段落と思いきやユカリがバイトをし始めたところ、女の子と仲良くなってるところを望月に見られてしまい・・・。というか、見られても別に問題ないはずなんですが、なぜか望月さんの態度がちょっとおかしくなったところで、もうダメでした。ニヤニヤが止まりません。すごく好きな展開です。今巻も非常に面白かったです。ユカリのフラグクラッシャーぶりと、望月さんの「私気にしてないよ?」ぶりがとにかく。

夏休み終盤くらいから“書の甲子園”という大舞台に向けて慌しい感じです。そして学校が始まったら体育祭、文化祭と学園モノにふさわしい学校行事が続きます。楽しい時期ですね。というかヤンキー女が遺跡発掘部に所属しててツルハシ持って走るとか、どうやったらそんなことを思いつくのか、作者さんには本当に頭が下がります。

それで、本筋である書道ですが、文字ひとつひとつがそれぞれ意味を持つ、という話に感動しました。「風」のところです。ただの「風」という文字なんですが、その文字自体に意味ができる。一文字一文字大事に書かれた文字は、絵画などにも劣らない芸術作品だと思いました。


今巻も全編を通して非常に面白かったです。文化祭も気になりつつ、三角関係にさえならない三角関係も気になりつつ・・・。次巻もとても楽しみです。


余談ですが見たことある背景が描かれると嬉しいです。小町通りとか、江ノ島駅とか。鎌倉・・・現在連載中の作品だけでも知ってるだけで3作品も題材に扱ってるとか、どれだけ魅力あふれる町なんでしょうか。1回行ったことがあるんですが、また行きたい場所です。



とめはねっ! 4―鈴里高校書道部 (ヤングサンデーコミックス)

とめはねっ! 4―鈴里高校書道部 (ヤングサンデーコミックス)