金田一蓮十郎「マーメイドライン」
作者さんの作品は、今までの「チキンパーティー」にしろ「アストロベリー」にしろ代表作である「ハレグゥ」にしろ、「傷があるけど健気な一般人(主人公)+普通じゃない人(?)+ドタバタギャグ」という形が多かったんですが、今作品は「ニコイチ」とも違ったまったく新しい形の“金田一蓮十郎”でした。
元々「ニコイチ」でのストーリーテラーぶりは知っていたのですが、やはりギャグに走らない作品もうまいなぁ、と思います。それは人の心の機敏を感じ取って表現してるからかもしれません。というか「ハレグゥ」でデビューしてからずっと漫画を描いてらっしゃった方が、よくよくこんな作品を描けるなぁ、と感心します。
何といっても物議をかもし出した(らしい)「あゆみとあいか」編は好きなお話です。男だけど、女になって女を好きになりたい人、という話。元々そういう話を人づてで(というか母親から)聞いて、それから作者さん自身が物凄く衝撃を受けたみたいです。その話を元に3人ものキャラクターが作れたみたいです。そういわれるとハレグゥのベルとニコイチの真琴は納得。
色々な人が世の中にはいる話なわけで、そういう人たちを否定せずに優しく描かれてるのがとても好印象なわけです。トランスジェンダーは一見複雑ですが、当人にとってはそれは「普通」何ですよね。お話自体は実際に居た人をモチーフにしてはいますが、お話のように幸せでいて欲しいものです。
もちろん他の話もそれぞれがそれぞれに好きです。というか「ゆかりとまゆこ」編は結構ツライ。もはや少年誌のギャグ漫画家だけでは収まらないというか稀有な存在だと思います。今後もいっぱいこういう作品を出して欲しいです。
というかエロfとかに描いて欲しいです。もしくはフィールヤングとかの女性誌でもいいので。
- 作者: 金田一蓮十郎
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2008/02/18
- メディア: コミック
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