平尾アウリ「まんがの作り方」(1)

漫画家を目指す少女×現役漫画家の女子高生の百合百合なお話と聞いて飛びつかないわけが。



・・・・・・・しかしその実態は、漫画家として再デビューしたい主人公(ニート)と、そんな主人公が大好きな後輩が織り成すダラダラ雰囲気漫画でした。ダラダラ雰囲気漫画、大好きです。漫画家になりたいという目的はあるけれど、夢に向かって1歩進んでノンビリ立ち止まってまた1歩、という感じのダラダラ感。

主人公の川口さんは13歳で一応漫画家デビューをしたんですが、その後は泣かず飛ばずで全然ダメで漫画家としては全然活動していませんでした。というところでバイトの後輩である森下さんが現役漫画家で、さらに自分の大好きな漫画家さんだということで、漫画家熱が再燃します。

漫画家熱が再燃したと思いきや、描きたい題材がなかったり、他人の批評が怖くて聞けなかったり、いざとなったら描く気がうせたりとなかなかヘタレです。やる気がないわけではない、ここ一番で頑張れない病といいますか、そんな感じの主人公が他人と思えません。でもやるときはやる、と。




この漫画のここちよいダラダラ感といったらやっぱりトーンを買うところでしょうか。

「・・・(トーンを)使わなきゃいけない時なんて来るかな・・・」


「もしそんな時に味付け海苔しかなかったらどうするんですか」




<実際に味付け海苔をトーン代わりに使ったところを想像>




「困るな!」




「ありがとうございましたー」(購入)

超ゆるいです。「困るな!」じゃないよというか、味付け海苔とか使わないよとか、そういったツッコミが不在のまま淡々とお話は進みます。




百合のほうですが、もちろん現役女子高生が頑張って百合成分を補っています。補っていますが、主人公の川口さんが不純な動機(性的な意味ではなく)で森下と付き合ってるので、1巻の時点ではそれほど百合百合はしていません。いや、普通に百合百合してますけど。そのあたりは2巻以降の楽しみにしています。




そんなわけで、またまた楽しみな作品が出てきてしまいました。本誌の最新号は2話掲載中みたいですので機会がありましたら是非。




まんがの作り方 (1) (リュウコミックス)

まんがの作り方 (1) (リュウコミックス)